INTO THE WOODS #008
冬の桜 東京高尾 年の暮れ
Woods Told me about Winds, Fall
年も押し詰まり、仲間うちで忘年登山。
春に出会った桜の木と再会。冬の荘厳ともいえる安定感に感じ入る。
木は倒れても行く手を見守る
川は空を流れる
空に流れるは、星の川だけにあらず。
わたしたちには、星はよく見えないのよ。
星はおろか、木の葉っぱのせいで、空だってよく見えない。
森の昼寝
うとうとと木を枕に眠っているうち、その妖精は、枕の木にしていた木に取り込まれ、木の一部になってしまった。
妖精にしてみれば、じっとしておればよい身分になって、存外、いいものだと、いまのところは思っている。
木にしてみれば、妖精の口を通して、声を出せるようになったのが、うれしいと思っている。
妖精にしてみれば、突然、自分の口を借りて、木の歌が出てくるのは、時折、わずらわしいと思っている。
そこで、妖精は知り合いの魔法使いの爺さんに木の幹に、木の口をつくってもらった。
妖精にしてみれば、静寂が戻って何よりだったが、木の幹の口から聞こえる木の美声にいsっとを覚えている。
きりぎりすの秋
秋も終わりに近づけば、住処を探し出す。
きりぎりすは、『ありのきりぎりす』の話が嫌いだった。
出会う動物や虫たちが、口をそろえて、自分たちのことを怠け者とたとえるのには閉口していた。
寄り添う木
人とは、やはり、一人で立とうとするひと、いや人に限らず、動物、草や木に惹かれるのかもしれない。
しかし、ほかの同胞を助けている、この二本の木の縁もよいものと惹かれている。
日陰にこそ、紅葉
今年は風が強くってねえ。
仲間は紅くなる前に、たくさん飛んでいってしまってねえ。
夏の遊戯
倒木の穴を、時速百キロで通過する、そんな遊びが、この夏、蚊の間で流行ったという。猛暑もはるか過去のように思えるこの時期、そんな嘘話にも、身を乗り出して、聞いてやりたいと思う。
山梨県・大丸、東京都・日陰本田山ほか(2018年10月)
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