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SHORT STORY #006
心鎮める秋
Healing Summer Heat, Fall
暑さに灼かれた夏も、去ってしばらくすれば、苦しみも忘れてしまう、ただし、頭のなかでは。しかし、からだは、灼かれた肉、一度煮えたぎった血は、ころもがえするように、簡単には癒えはしない。
ひととき休んで先に行く
森の賢者たち
寄寄り添う木があればいいと、森の年かさの熊は言った
ついばめる草があればいいと、牧場から逃げた牛は言った
秋には葉の落ちる木があればいいと、まつ毛の白い馬は言った
秋寒の朝に笑顔をちりばめむ
日曜の散歩
今日は日曜だから、商店街も静かで… ーー フレンチブルドッグに話しかけるおばちゃんの足取りは軽く
秋の生活から
Season's Treasures
とうもろこしを食べていると、折り重なった間には何があるのか。見てみたくなる
あさりの砂抜きをする、秋の朝。
午前八時四十四分。池袋サンシャインビル近くのコーヒーショップ。いっぱいにふくれた紙袋を脇に置いて二人の若い女の子が話している。
「東京をぐるっと回っているのが山手線、メトロともう一こ、地下鉄があってと」
昼過ぎには、高速バスで家に帰る。午前中は、まだ、どこかに行ける。アイスコーヒーの氷は、この街での光景を映しながら、カラカラ鳴っている。
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