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LIFE IN PICNIC
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LIFE IN PICNIC #006
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マグリッドの雲と多摩川と
多摩川に越してくるまで、ルネ・マグリッドの描く、ほの紫色に光る雲は想像の産物と思っていた。しかしながら、そんな雲が、今朝のような若干湿り気のある空気のとき、グレーの雲に、むらのある紫色でぼんやりと縁どりされた、何十個と浮かんでいる。
すると、マグリッドの描く、不思議な世界 ーー 無数の男たちが空に浮かんでいるさまや、嵐の前ぶれのような暗い空の向こうに鳩の形に切り取られた青空の浮かぶさま、顔を切り取った肖像、顔が大きな鞠のように肥大化して、身体から離れてしまったひとなどなど ーー があっても不思議ではないなと思う、朝の寝ぼけた通勤電車の中で。いや、現実に見えなくても、そういうものが見えたらおもしろいなという気になってくる。
職場で怒っている男の顔が丸く大きくてなって、目や鼻や口が、バランスボール大になった顔に小さくめり込んでいったり、オフィスの大きな窓の向こうに、無数の犬を連れたおばちゃんが浮かんで、空中を歩き出したり。
2018年1月 (#006)
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