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LIFE IN PICNIC
STORY
LIFE IN PICNIC #010
- LIFE IN PICNIC -
春だ、さあ、思いきり笑おう!
さあ思い切り笑おう!
それまで地味な花にしか思えなかった、木蓮がたからかに笑っているように見えたのは、五年前の春のことだった。芭蕉庵の塀よりも高く伸びた木から、縦に咲いて並んだ木蓮の花は、躍動的で、明らかに声をあげているように見えた。
雑司が谷に住んでいたころは、毎年三月になると、芭蕉庵からこぼれるように咲いている、その木蓮を見に行った。いつのまにか、春に咲く花で一番好きな花になっていた。
多摩川に引っ越してからはじめての春には、木蓮を探しながら、朝、近所を走っていた。
幸いにも、近所に、元気に木蓮を咲かせる家を見つけ、塀からこぼれ咲く木蓮に会いに行くのが、春の愉しみとなっている。
2019年2月
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