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箱根・浅間山、雨中の森
INTO THE WOODS #003
梅雨どきの箱根の低山歩きへ
お昼ごはんの時分に雨のあがるように、ゆっくりと歩く
Rainy Day in The _woods
Hakone, in July
雨のしとしと降る箱根を登りはじめる。
雨ガッパは、下だけはいて、傘を片手に歩いていた。
小雨の音に耳をすましながら、しずくのかたちを指でなぞってみる。
蜘蛛が糸を伝って、葉の裏側に隠れる。
きりぎりすの秋
秋も終わりに近づけば、住処を探し出す。
きりぎりすは、『ありのきりぎりす』の話が嫌いだった。
出会う動物や虫たちが、口をそろえて、自分たちのことを怠け者とたとえるのには閉口していた。
寄り添う木
人とは、やはり、一人で立とうとするひと、いや人に限らず、動物、草や木に惹かれるのかもしれない。
しかし、ほかの同胞を助けている、この二本の木の縁もよいものと惹かれている。
日陰にこそ、紅葉
今年は風が強くってねえ。
仲間は紅くなる前に、たくさん飛んでいってしまってねえ。
夏の遊戯
倒木の穴を、時速百キロで通過する、そんな遊びが、この夏、蚊の間で流行ったという。猛暑もはるか過去のように思えるこの時期、そんな嘘話にも、身を乗り出して、聞いてやりたいと思う。
山梨県・大丸、東京都・日陰本田山ほか(2018年10月)
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