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LIFE IN PICNIC
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LIFE IN PICNIC #002
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節分と春の福
我が家には、猫用の鬼の面がある。
猫の顔の正面にかぶらせるなんてことは、人間っぽいことの嫌いな猫にとっては、とうてい無理なことなので、おでこにちょこんと載せるくらいが関の山。けれど、それでさえ、嫌がってたいへんなことである。
昨夜は節分。猫の額に鬼の面のっけて、豆を投げたりはしない。
猫に面をのせるや否や、「鬼はー外と」豆つぶてをくらったのは、ぼくの背中で、逃げるも遅く、「福は内」。
※ ※ ※
節分の夜、窓を開け放って、豆を投げたのは、かなり昔のことだ。窓から入ってくる冷やっとした空気を感じつつも、そこらにのほほんとしゃがんでいる鬼を夢想して、豆を投げた。叫びもした。やって来て欲しい福の神はどんな顔かははっきりとした像はなく、脈絡もなく、おかめの顔が頭に浮かんでいた。
思えば、立春の前日、家のなかの空気を入れ替えて、春を呼ぶなんて意味もあるのかなと。窓を開けてはばかられる現在ではある。けれど、福の神には、恵比寿さまも、弁天さまも、七福神で勢ぞろいでも、おひとりでも、来ていただきたいと、寒がりの妻の手前、窓をこっそりと開けて、心のなかで祈るのであった。
※ ※ ※
今朝、昨夜の豆を片づけていると、数は少なくなっているところをみると、うちの猫たちも少し恩恵を受けたというところ。「もっと美味しいものをよこせ」って?
2018年2月 (#002)
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