LIFE IN PICNIC
STORY
LIFE IN PICNIC #007
- Life in picnic -
法隆寺の胸騒ぎと夕暮れと
PROLOGUE
なんていうんでしょうかね。
奈良の法隆寺の建物を見るのは楽しみだったんです。
奈良へ行く日が近づいてくると、この法隆寺を置くことを決めた土地とは、どんな土地か、オーラを持っているんだろうかという、疑問がわいてきたんです。そして、この現代、その土地に住んでいる人たちは、千三百年つづく法隆寺のふところで、どんな生活を送っているのだろうか?そんな興味を持ちはじめたのです
CH.1 田畑をめぐって法隆寺
晴れた日でしたけれど、足の裏から冷えが靴の下を伝ってくるような、寒い冷たい日でした。空は、透き通った空気でしたから、観光ポスターにある南国の海のような深い色をした青空でした。
田畑のなかを歩くと突然、法隆寺
駅から、道すがら、目標もなく、北方に向かって、時折、家があったり、お地蔵さんのいる、田畑のなかを歩いていくと、法隆寺はありました。
だだっ広い、平らな土地に寺の建物がありました。
CH.2 調和のなかの胸騒ぎ
法隆寺の建物は代表的な五重塔、金堂、夢殿など、それ自体で端整で美しいわけです。そして、それだけでなくて、その配置においても絶妙で、中門を入った五重塔、金堂のある敷地内では、どこから見ても、均整がとれているように見えるのです。見とれていると、五重塔と金堂とが会話しているように思えて、とても不思議でした。
写真にしてみると、それぞれの中心線がデリケートにずれていて、その中心線を伸ばしていった空のかなたに何かあるのではないかと想像してしまう、そんな不思議な空間でした。
CH.3 柿匂う夕暮れ
午後四時、日の光が電球の色になってくるころは、拝観に来る人たちは消えてきます。すると、その代わりに、近所の住む人びとの歩く姿、自転車で道ゆく姿が見られるようになってきます。
鐘の音を後ろに聞きながら、近所の家々のなかを歩く。寺の松のように立派な民家の松にしばし見とれているうち、自転車に轢かれそうになった。…とは、冗談ですけれど、法隆寺では、そんな風に、いろいろなものに見入っていました。
EPILOGUE
今回の旅は、年の暮れのことで、注連飾りが門という門に掛けられていました。注連飾りをなったときの稲わらのこすれる音が聞こえるかのように、そんな静けさを、心のなかに持ち帰る。そんな一日でした。
(#007)
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