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SHORT STORY #001
NEKO JankeN 01
in ZOSHIGAYA, MAY
東京音羽の護国寺の境内には、数多くの猫が、たのまれもしないのに住んでいた。
- 猫の階段じゃんけん 01 -
寺の表側の入口の門から本堂の境内までは、長い石の階段がつづいている。夏の朝などは、まだ冷んやりとした石段に、点々と猫たちが佇む。
境内の山門に近い高みに座っている猫。一段ずつ下りる猫。三角形に陣をなす三匹の猫。
日の差してくる七時過ぎまでは、いろいろな猫が集う場所だった。
じゃ ん け ん ぽっ
「チ ヨコ レ エ ト」
苦労して小さな手でチョキを出す努力家が猫には多いが、きやつらが、一列になって階段じゃんけんのはじまったのを見たことがない。
パー で負けたわ
じゃいけんぽっ
−− グーリっコっ。
−− じやんけんっ
… ぽっ
−− パイナツプルで逆転す
2018年初夏、護国寺。
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