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雑司が谷、たちはだかるものたち2018-06 雑司が谷路地014
午前七時十五分。二つのランドセル、朝の学校へ急ぐ四本の足。四年生のスズノとアカリ。 時折、くつの底がぺたぺたと地面に貼りつく。その度に、足を地面からはがすのがうっとおしい。日向になると途端に足は軽くなるけれど、日陰に入ると足が地面に貼りつく。 * * * 路地をあらかた日陰に変えてしまう二階建てを超える欅の並木。お稲荷さんの赤鳥居。鬼子母神の仏像、階段を上がった寺の本堂と賽銭箱。境内の六百年の樹齢を超える大いちょう。 この町、雑司が谷では、いろいろなものが立ちはだかっている。 スズノは、目の前に立ちはだかる、木々や仏像、鳥居、境内の木に群がる烏や鳩たちを見上げることに辟易していた。
Back Street 01, in front of you
- Zoshigaya, june
路地をあらかた日陰に変えてしまう二階建てを超える欅の並木。お稲荷さんの赤鳥居。雑司が谷では、いろいろなものが立ちはだかっている。
スズノは、目の前に立ちはだかる、木々や仏像、鳥居、境内の木に群がる烏や鳩たちを見上げることに辟易していた。
森のなかへ
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