DEEPER, FURTHER
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「登旅」は、登ると旅を組み合わせた造語です。日本の山は多くの場合、麓の山里の生活や文化に密接に関係してきました。
山深くに入ってくると、普段、街中にいるときとちがう自分がむくむくと現れてくるような感覚がある。
やはり、これも、私の原体験である、自転車の旅の経験からきていると思うのですけれど、自分のたどった道を線にするのが好きなんですよね。
山は、当初、友人に連れられて、言われるまま、歩いていたのと、クルマで登山口まで行って、二、三日歩いて、往復なり、周回して、車まで返ってくる。そんなコースだったので、山を歩いて、遠くのちがった場所に行く、というのはあまり意識していなかったんです。
はじめて、三日を超える山行をしたのが、いわゆる、北アルプスの裏銀座でした。上高地(いや、なんとか温泉?)から入って、濁河ダムまで、槍ヶ岳や水晶岳、野口五郎岳、烏帽子岳を歩いていくコースです。
昨日、壮大だけれども、小さく見えていた山が目の前に来る。昨日·今日歩いた山の上の道が縦にジグザグして見える。「遠くまで歩いてきたもんだ」なんて、感傷に浸っているのは、自転車のときと似ているなと思ったんです。
三、四日以上、山のなかを歩くのが、縦走気分でいいのですけれど、昼の仕事のことやら、家のことやらで、ままならない。そんな場合、きれぎれに、山の稜線をたどって、軌跡をつなげるというのもいいものです。
東海道五十三次を、何回(何十回)に分けて、行く人がいるでしょ。あんな感じです。
奥秩父は、数回にわたって歩いてつなぎました。七、八年かかったでしょうか。
一気に歩くことで見えてくることもあるけれど、三日歩いて、次の季節に三日歩いて、なんてことをしていて、より感じ入ることがあったりもする。
秋の寒くなる前に行った後、春に行く。山の印象は変わりますよね。同じ道、目立つ木のところに、ちがう季節に通りがかったりすると、佇まいが、前回来たときとちがう。葉っぱの色、茂り方、光の触感、などなど。自分が来ていない時間も確実に、山では、木は、草花は、じとじと降る雨の日も、灼熱の太陽に焼かれる日も、爽やかな晴れの日も、葉っぱが吹っ飛んでしまうような嵐の日も過ごしているんだろうかと思います。
たまたま、自分は、ごきげんのいい天気のときの山に来ているんだと。
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